プレ更年期・更年期の「肩こり」にひそむ“感情こり”？

プレ更年期・更年期の不調の中でも、多くの女性が感じている「肩こり」。
でも実は、ただの“筋肉のこり”ではなく、
心のこり＝感情のこりがひそんでいるかもしれません。

肩こりは「筋肉の緊張」から始まる

肩こりは、筋肉が緊張して硬くなることで起こります。
そのまま放っておくと、腰痛・四十肩・膝痛などへとつながることも。

だからこそ、早めに“ゆるめてあげる”ことが大切です。

でも実は、この「肩こり」という言葉、英語には存在しないそうです。
つまり、“日本人特有の症状”なのです。

日本人特有の「感情こり」

日本人は「繊細で気づかいを重んじる文化」を持っています。
和を大切にするあまり、
「周りにどう思われるか」「空気を悪くしたくない」と、
無意識に身体に力を入れてしまう——。

そんな積み重ねが、“肩がこる”という形で表れているのかもしれません。

イギリスでセラピストをしていた私の恩師も、
「イギリス人で肩こりを訴える人はほとんどいなかった」と話していました。

そして彼女は言いました。

“肩こりは、日本人特有の感情のこり（emotion knot）よ”

「更年期だから肩がこる」だけではない

私が更年期世代の女性とお話ししていて感じるのは、
「更年期だから肩がこる」のではなく、
もっと前から続いていた“緊張”が、
ようやく身体に表れているのではないかということ。

もし20代の頃から肩こりがあったとしたら、
40代になるまで20年間、緊張状態が続いていたということになります。

つまり、
「更年期だから出た」ではなく、「我慢してきた結果として出た」
のかもしれません。

我慢がつくった、身体のクセ

嫌なことがあっても、言いたいことがあっても、
ぐっと飲み込んで我慢してきた。

それは「我慢したいから」ではなく、
「我慢せざるを得なかった」から。

たとえば——
・空気を悪くしたくなかった
・誰かを傷つけたくなかった
・自分が我慢すれば丸くおさまると思っていた

そんな優しさや責任感からできた“成功体験”が、
いつの間にか「我慢するクセ」をつくっていたのかもしれません。

そしてそれが、今の“肩のこり”という形で、
身体がサインを出しているのだと思います。

更年期の症状は「チャンス」でもある

もし今、更年期の症状がつらいと感じているなら——
それは、“自分の過去と向き合うチャンス”かもしれません。

誰かのためではなく、
家族や職場のためでもなく、
「自分の幸せな未来のために」。

肩こりは「煙」、感情は「火種」

今あらわれている症状（肩こり）は“煙”のようなもの。
一時的にほぐしても、また出てくることがあります。

本当の原因は、その奥にある“火種”。
それは、心の中の未消化な感情だったり、
ずっと抱えてきた思いかもしれません。

私自身も、同じでした

ここで少し、私自身の話をさせてください。

私は４人家族の長女として育ちました。
母は病気がちで、父も精神的に不安定。
だから「私がしっかりしなきゃ」と、
子どものころから肩に力を入れて生きてきました。

誰かを頼るのが苦手で、
「自分さえ我慢すれば丸く収まる」と信じていたんです。

高校卒業のときも、
本当はやりたい道があったけれど、
「家に負担をかけたくない」と就職を選びました。

でも、それは“間違い”でした。
——就職がではなく、「自分の心を無視したこと」が。

向き合うことで、ほどけていく

この仕事に出会い、
お客様と向き合ううちに、
「まず自分と向き合うこと」が必要だと気づきました。

過去を思い出すのは、正直つらかったです。
でも、心の奥を掘り下げていくと——

本当は、父母に対して
「わかってほしかった」「助けてほしかった」
という気持ちを押し殺していたことに気づきました。

その感情を認めてあげたとき、
心が少しずつ軽くなっていったんです。

「つらかったね」
「がんばってたね」
——そう言ってあげることで、
過去の自分が救われていくような感覚でした。

感情がゆるむと、身体もゆるむ

不思議なことに、心がやわらぐと身体もゆるみます。
これは私自身も、お客さまを通しても実感していることです。

“感情のこり”がほどけると、
筋肉のこりも自然とほどけていく。

だからこそ、ヴィオでは
単に筋肉をほぐすだけでなく、
お客様と一緒に「火種」を探していくケアを大切にしています。

ひとりひとりの「原因」は違うから

環境、考え方、姿勢、食生活、育った背景……
同じ人は一人としていません。

だからこそ、
その人の「心と身体のつながり」を見ながら、
根本から整えていく必要があります。

メンタルへのアプローチなくして、
人の身体は本当の意味で変わりません。

こころと身体は、つながっています。

最後に

長い文章を最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

自分の過去を明かすのは少し勇気がいりましたが、
もし今、「生きづらさ」や「理由のわからないつらさ」を感じている方がいたら、
少しでも心が軽くなるきっかけになれば嬉しいです。

肩こりは、感情こりかもしれない。
でもそれは、“がんばってきた証”でもあります。

これからは、その肩の力を少しずつ抜いて、
自分の心にも優しくしてあげてくださいね。

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